Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

金属の擦れる音。


…それは、一瞬の出来事だった。


確かに、幸秀を射程範囲内に収めていたはず。

痛みを感じる暇もなく、あの世へ葬れた…はず。


しかし目の前には、由羅に刀を突き付ける幸秀の姿があった。



完璧だと思っていた暗殺の計画が一瞬にして崩れ、由羅は身構えながらも困惑していた。


焦りのせいか、目が暗闇に慣れているはずなのに、視界がおぼつかなかった。