Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

新月の夜はとても静かで、由羅の耳に聞こえるのは風を裂く音だけだった。



しばらくして、菊葉城の近くまでやってきた。


いつものことのように、守りは厳重。

だが、由羅には容易かった。


月明かりがなければ、由羅は闇に同化できる。

音もなく近づくことができる由羅には、四角を利用して忍び込む隙はいくらでもあった。


義秀、幸秀の眠る間は予想がついている。