Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

「無事を祈るぞ」

「はい、父上」


陽蔵と里の者たちに見送られながら、由羅は里をあとにした。


腰に差す刀は、いつもの由羅のものではなかった。


…これは、颯のもの。


由羅は新月の闇に紛れて、義秀と幸秀を暗殺することを決めた。

この、颯の刀で。


仲間は、だれ1人としていない。

由羅1人の手で、颯の仇を討つ。


そう決めたから。



颯爽と幻宝山を下り、菊葉の城下町へ向かう。