Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

だから、由羅は素直に竜之助に感謝していた。



「…そういえば、あの人も元気か?」

「あの人…?」

「店で、いつも笛を吹いていた…」


その言葉に、由羅の心臓がトクンと跳ねる。


「俺、あの人に由羅の居場所を伝えることしかできなかったけど…」


竜之助の言っている人物とは、…颯のことだった。


“…由羅、お前は自由だ”


颯の最期を思い出すだけで、由羅は未だに目の奥が熱くなる。