由羅に弾が当たらなかったという安堵と、由羅から感じた殺気とで、銃を向けていた忍の足は震えていた。



これは、目を閉じたまま銃弾を見切るという、由羅の修行だった。


万が一、避けるタイミングがズレれば大怪我…。

いや、死んでいたかもしれないというような過酷な修行。


銃を向けた仲間も、由羅と陽蔵からの頼みで断ることができなかった。


本気で銃口を向けて、由羅になにかあっては取り返しがつかない。