春日を亡くして以来、もう仲間は失いたくないと心に決めた由羅。

仲間を守るために、己の強さを極めてきた。


…しかし今日、颯を失った。


兄弟のような存在の颯を…。


由羅は、自分の無力さを痛感させられたのだった。



風のない、静かな夜。

月は皮肉にも、2人を温かく照らす。


静まり返る闇夜に聞こえるのは、由羅の微かな泣き声だけだった…。