「バカ野郎…。最後くらい、聞けよ…」


颯が、由羅の耳元で囁く。


「いいか…?お前は、“黒い蝶”なんかじゃない。お前は、“自由な蝶”だ。里に留まらなくていい…。だれになにを言われようと、自分の好なところへ飛び立てばいいんだ…」


由羅を“蝶”に例えた颯の言葉。


それはつまり、鞍馬一族を抜け、忍をやめる…。

そして、竜之助の元へ行け…ということだった。