かける言葉も見つからず、由羅はただただ颯を抱きしめることしかできなかった。



しばらくして…。


「…ありがとな、由羅。ようやく気持ちが落ち着いてきた…」


颯は涙を払った。


そして、由羅を強く抱きしめる。


「…由羅、本当に今までありがとう」

「…なにを言うっ。そんな言葉など…聞きたくないっ…」


耳を塞ぐ由羅の腕を、そっと颯が握りしめる。