Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

それはまるで、なにかの別れを悟っているかのように、切なげに吹き去っていく。



「なぁ、由羅…」


沈黙する暗闇の中、響いた声は颯のものだった。


「もう動けるようになったか…?」

「…いや、まだだ。首から下が思うように動かぬ」

「…そうか。それなら早く里に戻って、手当てしてもらわねぇとな」

「そうだな。颯もいっしょに」


しかし、由羅のその言葉のあとに、颯の言葉は返ってこなかった。