Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

どうにか、颯は生きていた。

心配する由羅を励ますように、颯は力なく笑ってみせる。


そして目を覚ました颯は、陽蔵になにか耳打ちをしていた。



…しばらくすると、陽蔵は足を止めた。


「父上…、里はまだ先のはず……」

「…ああ。だが、颯がお前と2人で話がしたいそうだ」

「し…しかし、颯は一刻を争います…!早く里にっ…」


訴えかける由羅の頭の上に、陽蔵は大きな手を乗せた。