Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

陽蔵は軽々と由羅と颯を両腕に担ぐと、その場から立ち去ったのだった。


「…しかし、私のせいで…颯がっ」


由羅の向かいには、同じく陽蔵に抱えらた颯がいた。


颯はぐったりとしていて、息をしているのかすらわからない。

その弱った颯の姿は、思わず目を背けたくなるほど。


由羅が不安そうに見つめていると、颯がうっすらと目を開けた。


「由…羅?」

「颯…!」