Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

由羅には武器もなく、体も自由に動かない。


周りは敵兵に囲まれ、銃口は由羅を標的に捉えられていた。


まさに、…絶体絶命の状況。


「今度は、捕える気はない。“戦の書”の在り処を吐かぬなら、生かしておいても意味はない」


椿の踊りを観ていたときの幸秀は、誠実で穏やかな表情をしていた。


…しかし、今の幸秀の目は死んだように冷たかった。

それは、まるで仮面を被ったかのような別人。