Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

“よいのだ。敵とはいえ、同じ人間。手傷を負わせてしまった、せめてもの償いだ”


ああ言っておきながら、幸秀が由羅の傷口に塗ったものは、薬ではなく毒…。


その毒が、今になって全身にまわってきたのだった。



「私は、狩猟が趣味でな…」


そう言いながら、幸秀は懐に手を伸ばす。


「捕まったものを狩猟しても、おもしろくなかろう。逃げて逃げて、最後に仕留めるのが狩猟の醍醐味よ」