Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

由羅の目にも留まらぬ速さと、痛みを感じる間もなく、きれいに斬り落とされた腕。


男はこのことから、由羅を“黒蝶”だと断定した。


「…そうか。こんなあっさりと正体がバレてしまうとは…。殺しに慣れているというのも困りものだな」


由羅は否定しなかった。

なぜなら…。


「死にゆくお前に正体を明かしたところで、私にはなんら問題はない」


由羅は、ゆっくりと…しかし力強く刀を握り直す。