Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

「そこでボーっと、このガキが血しぶき上げて死んでいく様を見てるんだな!」


男は、刀を持つ手に力を入れる。


…そのとき。


コトン…


なにか鈍い音が小屋に聞こえる。


「…え?」


小屋の隅にいた子分が、ポツリと呟く。


子分には、この状況がよく理解できていなかった。


…それもそのはず。


床には、ついさっきまで由羅の両手両足を縛っていたはずの縄が散らばっている。