Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

口を布で縛られていて言葉は発せられないが、由羅の身を心配しているのはすぐにわかった。


「ああ、平気だ。それよりも、市…お前の方がっ」


市は、頭から血を流していた。

おそらく連れ攫われるときに、なにか固いもので頭を殴られたのだろう。


自分と間違われただけで怪我を負った市を見て、由羅は心が締め付けられた。


「さぁ、約束だ。私を捕らえたのだから、早くこの子を解放してくれっ」