Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

だから、もう人は殺めない。


そう決めた由羅は、黙って頭を下げるほか、市を助ける方法が見つからなかった。


その由羅の土下座を、男は鼻で笑いながら見ていた。


「おい、女っ。この縄で、てめぇの足を縛れ」


そう言って、男は由羅に縄の束を放り投げる。

由羅はそれを手に取ると、言われた通りに自分の両足首を束ねた。


「おい。確認しろ」


男は子分を顎で使うと、子分はおずおずと由羅に近づく。