Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

由羅は、まったく心当たりがなかった。



「けど、本当にどうする?こいつ?」

「ああ。たとえ別人だったとはいえ、俺たちの顔…見られちまってるしな」


顔を見合わす子分たち。


その間を割って入るように、大柄な男が市に歩み寄った。


「そんなの、殺すに決まってんだろ」


冷め切った言葉と、なんの感情も持ち合わせていないかのような無の表情に、一瞬に辺りの空気が凍りついた。