Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

“椿”…。

それは、紛れもなく由羅のことであった。


由羅は普段、市と同じ赤い着物姿で踊っている。

だが、今日はたまたま着ていなかった。


さらに運悪く、由羅が前に作った赤い着物を今日市が着ていた。


よって市は、椿と間違われて攫われたのだった。


しかし、一体なぜ…。

いつ、どこで、だれに恨まれるようなことをしたのだろうか。


椿の姿でしくじったことなど、一度もない。