Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

風上から漂う、血の臭い…。

先へ行けば行くほど、臭いの強さは増していく。


…そして、見つけた。


雑木林の中に佇む…1軒の小屋を。


屋根の瓦は所々剝がれ落ち、手入れがされていない捨てられた小屋のようだ。

人目に触れることのないこの場所なら、だれかを隠すには打ってつけだ。


由羅は静かに歩み寄ると、雑に釘が打ち込まれた複数の板で目隠しされている窓から、中の様子を窺った。