Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

だから、その思いに応えたかった。


竜之助の問いに、由羅はゆっくりと頷いた。


「それじゃあ、行ってくる」

「ああ。市を頼んだ」

「任せておけ。すぐに連れて帰ってくる」


由羅は竜之助に微笑み、飛び上がったかと思うと、一瞬にして姿を消した。



由羅は風を切るように、雑木林の中を走っていた。


常人なら気づかないわずかな血の臭いも、由羅にはまるで道しるべかのように嗅ぎ取れた。