Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

「由羅の手はキレイだって」


由羅はこの川沿いで、竜之助に手を握られたことを思い出す。


“キレイだよな”

“…キレイ?私の手…が?”

“ああ、白くて細くて…。俺なんか、マメだらけの汚い手だからなっ”


そう言って、たくさんの人を殺めてきたこの手を褒めてくれた。


それにすごく驚いて…。

でも嬉しくて、なんだか恥ずかしくて。


あのとき、“もし自分が忍でなければ”なんてことも考えた。