「かっこいいところ、全然見せてくれないしー」

「まぁ…あいつはそういうヤツだからな」


由羅も、颯がふざけている場面が容易に想像がついた。


「こーらっ。あまり由羅様を困らせるんじゃないっ」


そこへ、稽古場の教官が現れた。


「ほら。さっきの由羅様をお手本にして、練習再開だ」

「「…はーいっ」」


子供たちは名残惜しそうに由羅を見つめながら、手裏剣を片手に、渋々また的の方へ戻っていった。