Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

「書は盗まれるし、黒蝶の手がかりもないからの…。今度、我が城へ侵入した際は、決して外へは逃さんからなっ」


義秀は、力強く握り締めた拳が小刻みに震えるほど、黒蝶への怒りに満ちていた。



今日の舞を終え、由羅は菊葉城から出てきた。


義秀や兵に、異変は感じられなかった。

義秀の言う通り、黒蝶の手がかりがないというのは真実。


…であるならば、なぜ竜之助は由羅の正体を報告しなかったのか。