Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

「と、言いますと?」


由羅が尋ねると、義秀は悔しそうに唇を噛み締めた。


「城の兵は、全員その賊に伸されおったわ」

「…まぁ、なんてことっ」


由羅は悟られないように、まるで今初めて知ったというような、自然なリアクションを取る。


「その賊の姿は見られたのですか?」


由羅は、核心的な質問を投げかけた。

その返答によって、由羅の今後の身の振り方が変わろうとしていた。