Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

「…な、なんでもない」

「それならいいけど。由羅が浮かない顔するなんて珍しいな」


浮かない顔…。


それもそのはず。

菊葉の城下町に行くことで、仲間に危険が及ぶかもしれないと考えただけで、平常心なんかでいられるわけがなかった。


依頼で菊葉城に忍び込んでから、まだ5日しか経っていない。

ほとぼりが冷めるまでは、菊葉城に近づくべきではない。


…いや。