そのとき、鳥の鳴き声のような音が聞こえた。

この音は鳥笛と言って、由羅たちの間ではなにかの合図として使われている。


「おっ!美影たち、無事に戦の書を奪ったみたいだな」

「そうだな」

「じゃあ、俺たちも行くか」

「ああ」


颯が闇に消えていき、由羅も腰を上げた。

その場に横たわるのは、気絶したままの竜之助。


今なら、簡単に殺すことができる。