Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

その間に、由羅の脳裏には走馬燈のように、竜之助との思い出が蘇った。


“さっき見てたんだ!笛の演奏もすばらしかったけど、キミの舞もすごいと思って!”

“そんな親父に、俺もなりたくてっ。だから親父は、俺の憧れの存在なんだ”


竜之助のまなざしは、いつでもまっすぐと前を見ていた。

由羅の正体を疑いもせず。


町のこと、家のこと、自分のこと。

そのすべてを、無邪気に由羅に語る竜之助の姿…。