Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

竜之助は、今の状況を理解できていない様子だった。


心臓をひと突きか…。

それとも、首を跳ね飛ばすか…。


せめて、ひと思いにあの世へ逝かせてやる。


由羅は、刀を持つ手にグッと力を込めた。


…さらば、竜之助。


由羅は疾風の如く、一気に竜之助との距離を詰めた。


このすぐあとに殺されるとも知らず、由羅に無防備に懐を空ける竜之助。


この…一秒にも満たないわずかな時間。