「依頼は、そんなに簡単な内容ではないぞ」


依頼の難しさを指摘する由羅に対して、美影は戯けたように軽く躱す。


「だって由羅姉、いつも涼しい顔して帰ってくるじゃん」


そんな美影に、颯が声をかける。


「それは、由羅だからだよっ」


キョトンとする美影。


美影がそう思うのにも、無理はなかった。


なぜなら、由羅は今まで、依頼内容を失敗したことがない。