Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

「菊葉城は、それほど難しい造りでもありません。忍び込むには、問題はないかと思います」

「そうか」

「ただ、他の城と比べて見張りの数が多いのが特徴です。だれにも気づかれずに義秀の寝室に向かうのには、無理があるでしょう」


今勢いのある豊川家に仕えたいと志願する者は多く、城の至る場所に見張りが配置されている。


「由羅。お前の考察には信頼を置いている。菊葉城に最も詳しいお前が、今夜の依頼の指揮を取れ」