「お前たちには、今夜…ある城に忍び込んでもらう」

「盗み…ですか?」


颯の質問に、陽蔵は頷く。


「そうだ。その城に隠された巻物を奪ってくるのだ」

「なるほど。それで、“その城”とは一体…」


その問いに、陽蔵は由羅に目を向ける。

その視線に、由羅はなにかを察した。


「菊葉城だ」


陽蔵の言葉に、鞍馬の5人衆の目も一斉に由羅に向けられる。