Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

「私だって、場の空気くらいは読んでいる」

「場の空気を読む読まねぇじゃなくてさー。もっとこう…自然に笑えねーの?」

「笑えない」

「なんで?」

「苦手だからだっ。何度も同じことを言わすな」


由羅は、顔を背ける。


そのとき…。


「由羅様ー!」


髪に真っ白なユリの花を挿した女の子が、崖を登ってきた。


「もー。由羅様、急にどっかに行っちゃうから探してたんですっ」