その市の話を聞いた由羅は、市に着物を作ることにした。


幸いにも、由羅の家には着物の生地は何枚もあった。


市のためにも、こんなもので喜んでもらえるのならと思って、由羅はせっせと生地を縫っていた。


黙々と着物を作る由羅の姿を眺めながら、颯が呟いた。


「…なんか由羅、変わったよな」


見ると、颯は頬杖をついていた。


「変わった?私が…?なにを急に」