「そんな親父に、俺もなりたくてっ。だから親父は、俺の憧れの存在なんだ」


そう言って、竜之助は澄み渡る空を見上げた。

まるで、父親に語りかけるかのように。


その横顔は、どこかいつもよりも大人びて見えた。


「市はまだ小さいし、お袋の薬代のこととかもあるから、親父が死んで生活は苦しくなったけど、それでも俺は親父を誇りに思ってる!」


竜之助の力強い言葉が、由羅の胸に響く。