「いつか、この町にも戻ってくる」

「本当に?」

「うん。約束するっ」


由羅は、椿としての笑顔を見せた。

すると青年も、嬉しそうに笑みがこぼれる。


「…そうだ!申し遅れたけど、俺の名前は竜之助(リュウノスケ)。また今度会うときのために、キミの名前も聞かせてもらえないかな?」

「私は……」


由羅は、一瞬言葉に詰まる。


「…椿だ」


由羅の名前を聞き、竜之助は微笑んだ。