Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

賑やかな町とは打って変わって、まるで時が止まったような静けさ。

聴こえるのは、川のせせらぎと小鳥のさえずりだけ。由羅は目を閉じて、自然の奏でる音に耳を傾けていた。



…カサッ


そのとき、物音が聞こえ、由羅は反射的に反応した。


常人では決して気づかないほどの、ほんのわずかな音。


由羅は、耳に意識を集中させる。


…カサッカサッ


どうやら足音のようで、徐々に由羅に近づいてくる。