Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

「ありがとうっ。似合う?」

「うん!」


由羅が花冠を頭につけると、少女は満足気な笑みを浮かべて、母親のもとへ走っていった。


由羅は、行く町々で人気者の踊り子。


凛とした表情で舞う姿と、普段の気さくで人当たりのよい性格。

老若男女問わず、町の人々は由羅を慕っていた。


だがそれは、“踊り子椿”という由羅の仮の姿。


冷静沈着で、物静かな由羅の本来の姿とは正反対。