Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜

「椿に言われちゃあ、手ぶらでは帰れんなっ」

「まったくだ。椿には敵わんよ!」


見物客たちは、由羅に言われるがまま隣の店に立ち寄る。


そこへ、1人の少女が由羅に駆け寄る。


「…これ。椿お姉ちゃんのために作ったの!」


と言って、由羅にレンゲで編まれた花冠を手渡す。


お世辞でも、上手とは言えないもの。

だが、少女の手についた泥や茎の汁のあとで、一生懸命作ったものだとわかる。