プールから約20分ほどの所に、今日私たちがお世話になる旅館がある。



「女性お二人はこちらの椿の間となります。男性の皆様はお隣の桔梗の間でございます。」



仲居さんに案内されて、それぞれの部屋に入った私たち。



菜「うわあ、見て理央!海だよ海!!」



この旅館のすぐ隣には海があって、部屋からはその海が一望できた。



「温泉はすぐ上の階にございます。それではごゆっくりおくつろぎ下さい。」



仲居さんが部屋を出て行くのを確認すると、私はその場に倒れ込んだ。


ダメだ、プールではしゃぎ過ぎて疲れた…。



菜「ねえ!この旅館の浴衣すっごく可愛いよ!」



……菜々夏、元気だね。


私以上にはしゃいでいたはずの菜々夏は、まだまだ元気が有り余っているようだ。




菜「理央、さきにお風呂行っちゃう?夕食までまだ時間あるし。」



仲居さんが言うには、夕食の時間は6時30分。



今は5時を過ぎた所だから、時間は余裕である。



理「そうだね、そうしよっか。」



私と菜々夏は旅館の浴衣を持って温泉に向かった。