夕暮れが教室をオレンジに染めている。 千秋くんの背中を見つめ、瑞樹のことが気になった。 「先輩」 千秋くんが口を開き、あたしと向かい合った。 「歳の壁ってさ、大きいんだよ」 あたしは黙って聞くことにした。 「たった…たった一歳でも その壁は大きい」 千秋くんが一歩、近づいてきた。 「身長だって俺の方がでかいけど、先輩が先輩なのは変わんない」 手を重ねてきたのに、少しびくっ、とする。 「手だって俺のほうが大きいのに、先輩が先輩なのは変わんない」 千秋くんは一瞬視線をずらした。