それに……


あたしは、チラッと周りの様子を見る。


男女問わず、誰もが彼を見ている。


女の人は、頬を染めて。


男の人は、憧れの眼差しで。



理さん……凄い注目を集めてるよね?


この前に会った時も思ったけど、何だか並外れた人だと思う。



背だって人一倍高くて、筋肉質な体。


でも一見、モデルのようにスラッとしていて、しかも、物凄く整った顔立ち。


普通の人とは、違ったオーラを持っている。


強いて言えば、少し無愛想だけど…。



あたしの視線に気が付いたのか、理さんはあたしを見て


「何?」


と聞く。


「あ、いや……。理さんて、総長さんだったんですよね?」


「……まぁ。そんな事もあったな。」



うぅ。そんな事もあったな。って。


何とか話を繋げようと、必死に次の言葉を探す。


「えっと……やっぱり総長って、大変でしたか?」


「?まぁ……それなりに……。何で?」


「いや、えっと……あんなに沢山の人をまとめ上げるなんて、あたしにはとても考えられないので……。大変なんだろうなって。」


「あの中には色んな考えを持った奴が居るからな。笑ってりゃ勝手にまとまってくれるってんならいいが、そうはいかねーわな。」


確かに。


その人それぞれに合った対応をしなくちゃいけないんだもんな。


簡単にはいくはずがない。