禁断のプロポーズ

 あのとき、克己と三人がメールを見ていたとき、夏目は下についていた詳細なデータを確認していたのではないか。

 『兄妹関係 否定』

 だが、その下に、二人のDNAの類似性について記されていたのではないだろうか。

 智久の許には、二通のメールが来ていた。

 智久は、なにか違うことも、今回採取したサンプルを使って、調べさせていたのではないだろうか。

「ねえ、志貴島さん。
 未咲って呼んでもいいかな?」
と親しげに社長は言ってくる。

 彼は、智久との結婚話は知らないようだった。

「どっちでもいいですっ。
 失礼しますーっ」
と叫んで頭を下げ、その場を去る。

 夏目はエレベーターホールに、智久と居た。

 お前も腹を括れ、と言った夏目の言葉を思い出しながら、彼に向かって駆け出していた。

「夏目さんっ、結婚してくださいっ!」

 その腕に飛び込み言うと、夏目は受け止めながら、渋い顔をする。

「……だから、次は俺に言わせろと言ったろう」

 ほんの少しだけ、泣きながら、笑ってしまう。

 ようやく気づいた。

 夏目さんは、早くからわかっていて、とっくの昔に腹を括っていたのだ。

 私と夏目さんが血のつながった叔父と姪だと言うことを。