禁断のプロポーズ

「会長になんて言われた?」
と言いながら、智久が現れる。

「来てたんですか。
 貴方と結婚しろと言われましたよ」

 智久は、笑い、そうか、と言う。

 もしかしたら、知っていたのかもしれないな、と思った。

「まあ、これで、お前と俺は叔母でも甥でもなかったわけだからな」
と言うので、

「夏目さんともなんにも関係なかったってことなんですけどね」
と言ってやる。

 夏目はすぐに出てきた。

「どうだった?」
と智久が訊いていた。

「いや、今まで通り頑張ってくれという話だけだ」

「それだけか?」

「……お前が社長の息子だとわかっても、後継者争いには関係ないと」

 ふん、と智久は鼻を鳴らし、
「そんなことは言われるまでもない。
 わかっていたことだ」
と言う。