禁断のプロポーズ

「桜さん、水沢さんはどうですか?」

「……あんた、自分が幸せだからって、手近なところで、周りをくっつけようとするの、やめてくれる?」

 どちらも、相当な優良物件だと思うのだがな、と思いながら、その言葉を聞いていると、克己が、

「あー、僕も平山は駄目だな。

 出来が良すぎて。

 もっと危険な感じの女が好きなんだよ」
と言い出す。

 桜が未咲を指差し、
「これの何処が危険な感じなんですか」
と言うと、

「違う意味で、危険な感じかするだろ」
と言った。

 桜が、ああ、と頷く。

「もう、いいから、呑みましょうよ。
 ビール持ってきます」

 未咲が立ち上がり、冷蔵庫に取りに行くと、夏目がついてきた。

 すっかり日は落ちている。

 開けた冷蔵庫の灯りだけが室内を照らしていた。

「夏目さん、明日、会社に一緒に来て欲しいそうです、会長が」

「……そうか」
と言った夏目は、

「広瀬は来るのか」
と訊いてくる。