禁断のプロポーズ





 土曜日、ずっと憧れだったハンモックを買った。

 庭の木と木の間にぶら下げると、なんだか距離が空き過ぎていて、ピンと張ってしまった。

「なんかこれ、あれみたいですね。

 ほら。
 えーと、トランポリン!」

 腕を組み、その出来を眺めていた夏目が、
「じゃあ、飛んでみろ」
と大真面目な顔で言う。

 少し考え、本当にハンモックに足をかけようとしたら、
「莫迦か、お前は」
と抱き止められた。

「第一、スカートだろうが」

「誰も見てませんよ」

「俺が見てる。
 っていうか、そこの隙間から見えるって、いつもうるさいのはお前だろうが」
と塀の途切れた門のところを指差す。

 間近にその顔を見て笑うと、夏目は自分を抱いたまま、唇を重ねてきた。

「だから……、見えますよ、外から」
と言うと、

「うん。
 見えてるよ」
という声がした。

 見ると、門のところに、克己と桜が立っていた。

「僕ら呼んどいて、なにやってんの」
とまた美味しいものを作ってくれるらしい克己が、買い物袋を手に言う。