禁断のプロポーズ

 



 仕事が終わり、夏目とともに帰宅した未咲は、鼻歌を歌っていて、咎められた。

「浮かれてるな、未咲」

「えっ?」

 いけませんか? と思って、振り返ったが、睨まれて、黙る。

「夏目さんは嬉しくないんですか?
 私と兄妹じゃなくて」

「別にどうでもいい。
 そう言わなかったか。

 俺はお前のその腹の据わってないところが気に入らないだけだ。

 兄妹だったら、俺と別れる気だったのか。

 海外に行くのが嫌だとか言っていたが、その程度しか、俺のことを好きじゃなかったのか」

 うわっ。
 意外とめんどくさい人だなー、と未咲は半笑いになる。

「そんなはずないじゃないですか」

「ちょっと来い」
と夏目はまた、いきなり腕を掴むと、未咲を部屋へと連れ込んだ。

 なんかデジャヴだ、と思っている間に、夏目は手を離し、奥へ行くと、あの荷物の詰まったボストンバッグを持ってきた。

「前からこれが気に入らなかったんだ」

 言い様、中身をそこへひっくり返してしまう。

「ええーっ。
 もうちょっとっ」
と慌ててかき集めた。

 下着なども入っていたからだ。