禁断のプロポーズ

「俺の考えてることが正しいなら、殺し屋は所詮、殺し屋で。

 此処に居る誰よりも人でなしってことだ。

 いや……違うか」

 ベッドに横になったまま、智久は目線を落として言う。

「俺の方が人でなしだ」

 なんでだ、とは訊けなかった。

 智久はひとつ溜息をついて言う。

「あいつにはなにも告げるな。

 殺し屋と付き合ってた姉貴のことが書かれてる日記を、誰かが探しているようだとでも言っておけ」

 黙って頷く。

「それから、未咲はしばらく借りるぞ」

「……そこは頷けん」

「なんでだ。
 あいつをかばって怪我したんだぞ」

「じゃあ、俺が看病してやる」

「俺を殺す気かっ」
と智久は怒鳴ってむせていた。

 しまった。
 怪我人だったな、と思う。

 あまりに口が立つので、つい、忘れそうになる。