禁断のプロポーズ

 兄かもしれない夏目に気を使ったのだろうかと思ったが、そういう人でもない。

 そんなことを考えていると、唐突に智久が言った。

「喉が渇いたな」

「そこに水があるじゃないですか」

「炭酸水がいい」

「ええっ?
 飲んでいいんですか?」

「知らん。
 医者に聞いて買って来い」

「もう〜。
 めんどくさい人だなあ」

 さっき、自分が外に出るなって言ったくせに、と思っていると、
「水沢、ついて行ってやれ」
と言う。

「はいはい。
 わかりましたよ。

 行こう、未咲ちゃん」

 一緒に出ようと立ち上がりかけた夏目に向かい、智久が手招きをした。

「夏目、ちょっと来い」
と今までとは違う静かな声で夏目を呼ぶ。