禁断のプロポーズ

「僕が聞いたのはね。

 なんで、おねえさんと似た顔なのかってことじゃない。

 なんで、『あの人』と同じ顔なのかってことだよ」

 ふいに克己が口づけてきた。

 逃げる隙もなかった。

「その顔、苦手なんだよ。

 僕の前で、ちょろちょろしないで欲しいんだけど」

 そう言いながら、克己の手は未咲の両腕を強く掴んでいた。

「……克己さん、何者なんですか?」

「何者でもないよ」
と克己は笑う。

「本当は僕もあの会社に繋がりがあって、入社したってだけだよ」

 考えている間に、布団の上に引き倒される。

「教えてあげようか、未咲ちゃん。

 僕が君の姉さんと関係を持ったのは、調査するよう頼まれたからだけじゃないよ。

 君と同じ、その顔だったからだよ」

 真上に居る克己がそっと頬に触れてくる。

「……やめてください」

「ねえ、あの日記。

 まずい相手のことは書いてないってことは、書きまくってる夏目はまったく怪しくないってことだよね。

 此処に居ても、あいつと結婚しても、意味はないってことだよ」

 僕と結婚してみる? と耳許に唇を近づけ、克己が囁く。